2021年から国家資格となり注目を受けている「賃貸不動産経営管理士」。
賃貸不動産経営管理士とはどういった資格なのか、どういう仕事ができるのかわからないという人もまだ多いと思います。
この記事では賃貸不動産経営管理士がどういう資格なのか、試験の概要や仕事内容、メリット等をご紹介します。
賃貸不動産経営管理士とは?
賃貸不動産経営管理士とは、賃貸不動産管理に必要な専門的な知識・技術・技能・倫理観を以って、賃貸住宅管理の適正化・健全化に貢献することを目的とした国家資格です。
近年の賃貸管理は、オーナーの高齢化や管理内容の高度化等の背景から、賃貸管理業者に委託するオーナーさんが増えています。
ニーズが増えている賃貸管理業者は、2021年6月に「業務管理者」を営業所または事務所ごとに1名以上配置することが義務付けられました。
賃貸不動産経営管理士は、この法律が定める「業務管理者」の要件となっています。
仕事内容、将来性
賃貸不動産経営管理士の主な業務内容は賃貸物件の管理とされていますが他にも、
- 市場調査
- 賃貸物件の企画や提案
- 管理受託契約の締結やサポート
- 入居者募集に関する業務
- 入居者の対応
- 退去後の原状回復や敷金の清算など
賃貸不動産管理業務を全般に幅広い業務に関わっていき、賃貸住宅管理のスペシャリストとして各段階で起こりうるトラブルを事前に防ぐ重要な役割を担っています。
2021年6月15日に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が施行され、委託を受けて賃貸住宅管理業務を行う事業者は登録を受ける必要があります。
事業者の登録の要件のひとつに、「業務管理者の配置」が義務付けられており事務所ごとに賃貸住宅の知識・経験等を有する者を配置しなくてはなりません。
賃貸不動産経営管理士はこの業務管理者に当てはまるため、将来性はとてもあり、これからニーズはどんどん増えていくと思います。
賃貸不動産経営管理士になるには?
賃貸不動産経営管理士になるには、まず年に1回実施される賃貸不動産経営管理士試験に合格する必要があります。
試験に合格された方は「登録要件」というものを満たし、資格登録を済ませることで賃貸不動産経営管理士になることができます。
登録の要件には、下記の2つがあります。
- 賃貸住宅の管理業務に関し2年以上の実務経験を有する者
- その実務の経験を有する者と同等以上の能力を有する者
この要件を満たしていない方は、「賃貸住宅管理業務に関する実務講習」を修了するかわりに登録の要件を満たすことができます。
実務講習ってなんだ?と思った人も多いと思いますが、試験に合格された方には合格後に案内が届くのでその案内の手順に従い講習を受ければ大丈夫です。
関連記事:賃貸不動産経営管理士合格後、登録は必要?合格から登録までの流れを解説
試験情報、難易度
試験日時 | 毎年11月 年1回の実施 |
受験料 | 12,000円 |
出題形式 | 四肢択一、50問 |
受験要件 | 年齢、性別、学歴等に制約なし どなたでも受験可 |
試験出題範囲 | イ.管理受託契約に関する事項 ロ.管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項 ハ.家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項 ニ.賃貸住宅の賃貸借に関する事項 ホ.法に関する事項 へ.イからホまでに掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項 |
合格率 | 31.5%(2021年) |
合格者年齢 | 平均42歳 |
合否判定基準 | 40問以上正解 |
目安の勉強時間 | 100~150時間 |
賃貸不動産経営管理士試験は1年に1回、11月に実施されます。
試験は全部で50問の四肢択一式です。
合格率は30%程度で比較的難易度は低めといえますが、2021年から国家資格として認定された影響からこれから難易度は高くなってくると思われます。
私が独学で一発合格した勉強法を「独学で賃貸不動産経営管理士試験を合格!効果的な勉強法とは?」の記事で解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
関連記事:賃貸不動産経営管理士試験の難易度は?合格率や勉強時間を解説
賃貸不動産経営管理士資格取得のメリット
賃貸不動産経営管理士は日常生活との関連性も高く必ず役に立つ資格です。
ここでは賃貸不動産経営管理士の持つメリットを3つご紹介します。
就職、転職等のキャリアアップに有利
不動産業界や賃貸住宅管理業で働いている方や目指そうとしている方はキャリアアップにとても有利な資格になります。
賃貸不動産経営管理士の資格は実用性が高いため、就職活動中の人にとっては大きな武器となります。
資格を持っていれば知識と努力の証明になるため、面接官に本気度ややってきたことが伝わりやすくなります。
賃貸不動産経営管理士資格を取得し、理想のキャリアアップを目指しましょう。
不動産を貸すとき、借りるときの対応ができる
オーナーさんだったり地主さんだったら、貸主として賃貸借契約を締結する際に役立ち、管理業者からの信頼も得られます。
日常生活との関連性も高く、一人暮らし等で物件を借りている人やこれから借りようとしている人は自分が借主となるため、契約内容に交渉が行うことができたりします。
入退去のときにもスムーズにすることができ、敷金礼金や更新料等のトラブルが発生しやすいところでも適切に対応できるようになります。
不動産業や賃貸住宅管理業で働いていなくても、学生や社会人の方には役立つ知識が得られます。
賃貸経営に必要な知識が得られる
法律、建物管理、空室対策、節税対策など賃貸管理に関する幅広い知識が身につき、賃貸経営をやっていくうえで心強い支えとなります。
経営をおこなっているオーナーが資格を取得していれば、管理業者と円滑にやり取りもでき、信頼にも繋がるためとてもメリットです。
その他にも賃貸不動産経営管理士になるメリットを「賃貸不動産経営管理士になるメリット5選!賃貸不動産経営管理士がご紹介」で紹介しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
まとめ
賃貸住宅管理のスペシャリスト「賃貸不動産経営管理士」
不動産業界や賃貸管理業界ではもちろん、それ以外の日常生活等でも役立つ知識が得られる資格です。
国家資格になったことで人気も高まり、試験の難易度も年々上がっていくでしょう。
今より難易度が上がってしまう前に資格を取得し、キャリアアップや日常生活に活かしていきましょう!